はじめに
理学療法士（PT）や作業療法士（OT）として1年目を迎える方々にとって、勉強方法に悩むことは少なくありません。新人のうちに効果的な勉強方法を身につけることは、その後のキャリアに大きな影響を与えることもあります。この記事では、理学療法士・作業療法士の1年目の方々向けの勉強方法を紹介し、新人のみなさんの役に立てればと思います。
1. 新人理学療法士・作業療法士が直面する主な課題
理学療法士・作業療法士として1年目を迎える新人が直面する課題として、以下のようなものがあります。
- 学校と現場とのギャップ: 学校で学んだ知識と実際の臨床現場での業務との間にギャップがあることが多いです。例えば、作業療法士では、学校では手工芸を学ぶ機会があり、そのようなことをリハビで行うイメージを持つ人もいますが、臨床に出ると、そもそも職場にそのような道具や機材がないなどよくあります。
- 時間管理の難しさ: 勉強と業務のバランスを取るのが難しい場合もあります。業務時間は仕事に追われて業務時間内に勉強する時間がないなんて職場も多くあると思います。また、家に帰ってからも仕事でぐったりな方も多いと思います。時間管理で困っている人は下の記事にまとめているのでチェックしてみてください。
- メンタルの負担: 多くの内容を学ぶ必要があり、精神的なプレッシャーを感じることがある方もいるかも知れません。また、初めての社会人で、先輩や患者さんとの関わり方になれずに疲れちゃうなんて人もいると思います。
これらの課題に対処するためには、まず自分に合った勉強方法を見つけることが大切です。
2. 効果的な勉強方法の選び方
勉強方法には個人差がありますが、効果的な方法を選ぶための一般的なポイントをいくつか挙げます。
- 目標を明確に設定する: 何を学びたいのか、どの分野に特化したいのかを明確にします。
- スケジュールを立てる: 勉強する時間帯やタイミングをあらかじめ計画し、習慣化します。おすすめは、スキマ時間を見つけることです。ほんの1分でもできることは案外とあったりします。
- 例：通勤中の電車の中、信号待ちなど
- 学んだこと臨床をつなげることは大事: 自分が担当している患者さんの疾患のことや、それらに対する介入方法を、インターネットや論文雑誌を使って調べ、次の臨床で試してみましょう。それで良い変化が出れば療法士も嬉しいですし、知識の定着につながる上に、患者さんにとってもプラスになります。また、うまくいかなくても、試行錯誤を繰り返す過程が学習につながっていきます。
- 忘れてもいいように簡単に記録しておく： 得た知識もしばらく使わないと忘れてしまいます。努めている職場によく来るような疾患については覚えやすいですが、たまにしか来ないような疾患に関しては忘れがちです。そうなったときのためにも、ノートやスマホのメモアプリなどを使用し、簡単にでもいいので記録しておきましょう。また、そこまでする時間がない場合は、どの文献に書いてあるかだけでもなんとなく覚えておくと、知識が必要になった際に再び調べることが楽になるはずです。
3. 臨床とのバランスを保つ方法
新人時代に臨床と勉強を両立させるためには、時間管理が非常に重要です。
- 優先順位をつける: 重要なタスクから順番に取り組むことで、効率よく勉強できます。例えば、自分が担当している患者さんの疾患を優先的に学ぶことです。
- 短時間で集中して学ぶ: 長時間ダラダラと勉強するのではなく、短時間で集中することが効果的です。「1時間勉強しよう」とするのではなく、「疑問を解決しよう」というスタンスの方が効率もいいし、気持ち的にも楽です。後者であれば、早ければ5分もかからないこともあります。1つ1つの時間は短くても、積み重ねたらとんでもない量を無理なく勉強することができます。
- フィードバックを活用する: 先輩や指導者からのフィードバックを積極的に受け入れ、臨床に活かしましょう。また、知識が豊富な先輩や、技術のある先輩がいたら、どのように勉強したかさり気なく聞いてみましょう。
4. 知識を定着させるための具体的なテクニック
知識を定着させるためには、単なる読書や暗記だけでなく、以下の方法も有効です。
- アウトプット学習: ノートに書き出したり、場合によっては同僚や先輩に聞かれたときなどに説明したりすることで、自分の理解を深める。
- マインドマップを使う: 情報を視覚的に整理し、関連性を把握しやすくする。
- 定期的な自己評価: 定期的にテストや自己評価を行い、弱点を把握し改善する。
5. 先輩や同僚とのコミュニケーションを通じた学び
理学療法士・作業療法士としての学びは、他の人との交流からも多く得ることができます。
- 先輩の知識を吸収する: 積極的に質問をし、先輩の経験から学ぶ。
- チームでの勉強会を活用する: チームでの勉強会や症例検討会を利用して、実践的な知識を身につける。
- フィードバックを求める: 自分のパフォーマンスについて積極的にフィードバックを求め、改善点を明確にする。
6. 勉強の効率を上げるためのツールとリソース
効率的な勉強をサポートするツールやリソースをいくつか紹介します。
- オンライン講座やウェビナー: 最新の知識を手軽に学ぶことができる。
- 専門書や参考書: 基礎から応用まで幅広い知識を得るために有用。
- アプリやデジタルツール: スケジュール管理や学習管理に役立つアプリを活用する。
まとめ
理学療法士・作業療法士として1年目に学ぶべきことは多岐にわたりますが、自分に合った勉強方法を見つけ、効率的に学ぶことが重要です。本記事で紹介した方法を参考にし、自分自身の成長に役立ててください。成長のための第一歩として、積極的に学び続ける姿勢を持ちましょう。
コメント