【PT・OT・ST向け】職場の人間関係を改善する方法

はじめに

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が職場の人間関係を改善する方法として働く中で、職場での人間関係に悩むことは少なくありません。同僚や上司との関係が円滑であることは、仕事の効率やストレスレベルに大きな影響を与えます。本記事では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のみなさまが職場での人間関係を改善し、少しでも働きやすくするための具体的な方法やアドバイスを紹介します。


よくある職場での人間関係の悩み

上司との関係

働く上で避けて通れないのが上司とのかかわりです。

とても優しい上司に恵まれればいいのですが、必ずしもそうではありません。

意見が食い違う

 上司や先輩がたくさんいるような職場では、わからないことがあったとしても聞きやすい環境である反面、違う考え方の先輩がおおくいるということになります。同じ内容を相談しても違った内容の答えが返ってきたり、先輩に相談してやっていたのにもかかわらず、別の先輩や上司に注意されたり、突っ込まれたりすることがあります。

コミュニケーションの不足

上司や先輩に聞いたのに、指示が不明確で何をやったらいいかわからないことも意外と発生してしまいます。そういったことがミスに繋がってしまい、怒られてしまうこともあります。まさに負のループです。

同期との関係

信頼できる同期がいると非常に心強いです。しかし、同期と仲が悪いと逆に仕事のストレスが増大してしまいます。

同期が仕事をしない・できない

仕事をしない同期や、やってはいるけど仕事ができない場合は、その仕事のフォローを自分がしないといけなくなり、自分の仕事の負担が増えてしまいます。

同期が「意識高い系」

反対に同期が「意識高い系」の場合も大変です。

しょっちゅういろんな勉強会に行って、行っていない人を馬鹿にしてきたり、どこかで調べてきた知識を自慢したりする人もいるでしょう。

また、上司に業務や自己研鑽に関する提案を数多く行い、結果として全体の業務量が増えてしまうなどの悪影響が出てしまうこともあるでしょう。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士それぞれとの関係

同じ部署内でも理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のあいだで意見が合わないこともあるでしょう。

一人の患者さんを担当する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士それぞれの意見が合わずに、関係性が悪化することもあり、多くの人が悩むポイントだと思います。

チームワークの欠如

自分の職域や、勉強している分野にこだわりが強いセラピストが一定数おり、そんな人と同じ患者さんを担当すると大変です。そういうセラピストは自分の考えと違う人に対していちいちケチをつけてくる場合が多いです。

また、患者さんが望んでいないのに自分のやり方をつらぬき、結局クレームにもなってしまうこともあります。

過度なライバル意識がある

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自分の職種以外をライバル視しているところがあります。中には馬鹿にしている、下に見ている職場もあります。

そのような職場は、お互いの関係がギクシャクしてしまい、結果として良いリハビリは提供できていません。

病棟看護師や介護士などの他部署との関係

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として働くうえで、他部署との関係で悩む人も多いと思います。

協力的でない

私は作業療法士ですが、例として作業療法士なら、患者さんのADL向上のために、自主練習の依頼や、ポジショニング、ADLでの介助方法の依頼を病棟にお願いすることも多いと思います。

リハビリは生活の場で必要な身体機能や動作を向上することや、寝たきりの患者さんの苦痛を少しでもとることを目的にしており、退院するまでは生活の場が病棟になります。患者さんの生活に繋げるために、病棟に自主練習の依頼や、ポジショニング、ADLでの介助方法をお願いしてもいい顔をされなかったり、その場ではいい返事をもらっていてもなかなかやってもらえないこともあります。また、リハ中に汚染があった場合に依頼してもすごく嫌な顔をされた経験があるかたも多いと思います。

お局さまとの関わりが大変

どこの職場にもいるお局さま。

このような人を相手にすると、どんなに気をつけていても文句を言われたりと大変です。


人間関係改善のための具体的な対策

ここからは具体的な対策をいくつか紹介していきます。

コミュニケーションスキルの向上方法

さまざまな場面で基本となるのがコミュニケーションスキルです。

ここではその一部をご紹介するので、ぜひ試してみてください。

アクティブリスニング

相手の話をしっかりと聞くことは、良好な人間関係の基本です。アクティブリスニングのポイントは以下の通りです。

アイコンタクトを意識する

相手の目を見て話を聞くことで、真剣さを伝えましょう。考えながら話すときに、上を見ながら話す癖がある人もいますが、できるだけ相手の目を見るように意識しましょう。

相手の話を繰り返す

相手から言われた会話内容を要約して繰り返すことで、相手は「理解してくれたんだな」と安心することができます。

それだけでなく、何が伝わったか伝わっていないかが明確になるので、コミュニケーションエラーを防ぐことにもなります。

上司との関係改善の方法

指摘をもらったときはそのときだけでも素直に

上司や先輩から指摘してもらったり、怒られたときは素直に聞き入れるようにしましょう。上司は上司なりに問題を感じて指摘をしています。

たまには理不尽なことを言われることもあるかもしれませんが、そんなときでも、その場では素直に聞き入れる素振りを見せましょう。

明らかに指摘された内容が間違っているときは、その場では言い返さずに、場所や時間が変わってから相談するか、そのまた上の上司に相談してみましょう。

わからないことは先延ばしにしない

説明を受けてわからなかったときや、実際に業務を進めているなかでわからないところが出てきたら、上司や先輩にすぐに聞くようにしましょう。

わからないまますすめるとミスの原因になり、信頼を失ってしまうことになります。

同期との関係改善方法

適度な距離感を保つ

同期から嫌なことを言われたときや、嫌なことをされた経験があって、それが不愉快な場合は、過度に関わることを避け、距離を取りましょう。

あまりにも過度な場合は上司に報告しましょう。

また、同期の業務提案の結果、業務の負担が増大しているときも、上司に相談してみましょう。相談しにくいときは、「人事考課の面接」がほとんどの職場にあると思うので、その機会に相談するのも手です。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士同士の関係改善のヒント

相手を尊重する姿勢を示す

こだわりが強い人は、その人なりに自己研鑽を頑張っている人が多いです。

相手が言うことを傾聴し、聞き入れる姿勢をみせてみましょう。

相手の考えが良い考えであれば実践してみて、良い結果がでればそれも相手に伝えてみましょう。

そうすることで相手の承認欲求がみたされ、相手を満足させることができ、関係改善につながることが期待できます。

病棟看護師や介護士などの他部署との関係改善方法

相手に協力する

病棟スタッフは多忙を極めています。

たまたまリハ時間とおむつ交換などが重なったときは、体交などを積極的に手伝って見ましょう。

「リハがするより病棟スタッフ同士でやった方が早い」という考えの人も一定数いるので、無理に手伝うのではなく、

「何か手伝えることはないですか?」

と尋ねてみるのも良いでしょう。

相手が協力してくれたら感謝の気持ちを伝える

自分がお願いしたことに相手が協力してくれたら感謝の気持ちをはっきりと伝えましょう。

「〇〇さんがこれをしてくれたおかげで助かりました!」

「協力してくれたおかげで△△さんのADL上がりました!」

感謝されたら結構嬉しいものです。うまくいけば病棟の職員の方との関係性向上にも繋がります。

お局さまとの必要以上の関わりは避ける

他部署の関わりにくい人とは、必要以上の関わりは避けましょう。

また、色々と言われた際にその場では解決しようとせずに、

「上司に確認してみます」と言ってその場を離れてください。

その後実際に上司に確認するようにしましょう。

明らかなハラスメントを受けた場合は相談窓口へ

2022年4月から、パワーハラスメントの防止措置が全企業で義務化となりました。

どの企業にも相談窓口が設置されているので、努めている職場の相談窓口へ相談してみましょう。

参考:職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

まとめ

リハビリ専門職として働く中で、職場の人間関係に悩むことは避けられないことです。しかし、相手を尊重する姿勢を示すなど、ちょっとしたことでコミュニケーションが円滑になることもあります。

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