作業療法士って本当にきつい?辞めたいと思ったときに知ってほしい5つのこと

はじめに:検索したあなたへ

「作業療法士 きつい」と検索したあなたは、今まさに心身ともに負担を感じているのかもしれません。
患者さんのリハビリを支えるという責任ある仕事の中で、「もう限界かも…」と感じてしまう瞬間は、誰にでもあります。

作業療法士は、国家資格であり専門職として社会的な信頼も高い職業ですが、実際の現場では多くのプレッシャーや課題に直面することがあります。「自分には向いていないのでは?」「他の仕事に転職すべきか?」と考えることもあるでしょう。

本記事では、作業療法士として約9年間働く筆者が、「きつい」と感じる理由や、その状況をどう乗り越えるかについて詳しく解説します。あなたの悩みが少しでも軽くなり、次の一歩を踏み出す手助けになれば幸いです。


作業療法士が「きつい」と感じる5つの理由

1. 業務量の多さと単位数のプレッシャー

病院や施設では、1日に18単位以上を求められるケースもあります。
1単位は20分ですが、準備や移動、記録、カンファレンスや報告書の作成など、実際の作業時間はもっと長くなります。
朝から夕方まで患者さんと向き合い、終業後に残って記録を書く日々が続くと、体力だけでなく精神的にも疲弊してしまいます。

また、単位を稼ぐことばかりが求められる職場では、「患者のためのリハビリ」が「ノルマのための作業」になってしまい、やりがいを見失うこともあります。

以前勤めていた職場では、空き時間があるとリハビリの必要度が低い患者さんのリハビリを求められることもありました…

2. 人間関係や職場環境のストレス

医療・福祉の現場では、チームで動くことが多いため、人間関係の影響は大きくなります。
上司との相性、先輩との関係、同期や後輩との協力体制がうまくいかないと、患者さんに対して行うリハビリ以上ににストレスを感じてしまいます。

特に新人時代は、「こんなこともできないの?」「もっと気を利かせて」など、理不尽な言葉に傷つき、自信をなくすこともあります。質問しにくい雰囲気や、失敗を許さない空気があると、成長する意欲さえ削がれてしまいます。

3. 患者さんとの関わりによる精神的疲労

作業療法士は、身体的な支援だけでなく、患者さんの気持ちにも寄り添う必要があります。特に、リハビリへのモチベーションが低い患者さんや、病状が思うように改善しない患者さんとの関わりは、心に重くのしかかります。

「やっても意味がない」「もう治らないんでしょ」と言われることもありますし、逆に家族から「もっと良くしてください」とプレッシャーをかけられることもあります。共感しすぎて自分も疲弊してしまう、いわゆる“感情労働の負担”が重くのしかかる場面は少なくありません。

リハビリしたら確実によくなりそうな患者さんでも、「やっても意味がない」と言われてしまうことも多いです。
そんなときはこちらも残念な気持ちになってしまいます。

4. 給与と仕事内容のギャップ

国家資格であり、専門知識と技術を駆使して働いているにも関わらず、給料が見合っていないと感じる人も多いです。
特に新人時代は、手取りが20万円に届かないケースもあり、一人暮らしや奨学金返済を考えると経済的に厳しいと感じる人も少なくありません。

また、業務量に比べて残業代がつかない、休日出勤がある、昇給がほとんどないなど、待遇面の不満が積み重なると、「こんなに頑張っているのに…」という気持ちがやりがいを打ち消してしまうこともあります。

5. 将来性やキャリアへの不安

「このままずっと病院で働き続けられるのだろうか?」「年を取ったら体力的に無理が出るのでは?」など、将来に対する漠然とした不安を感じる方もいます。

また、キャリアアップの選択肢が少なく感じることや、管理職になっても業務が増えるだけで給与は大きく変わらないという現実を目の当たりにして、将来像が描けずに不安を抱えるケースも多く見られます。


それでも続ける?辞める?見極めるポイント

「きつい」と感じたとき、すぐに辞めるのは難しい決断です。
しかし、我慢を続けすぎることで、うつやバーンアウト(燃え尽き症候群)になるリスクもあります。
自分の心と体の声にしっかりと耳を傾けることが大切です。

以下のような視点で、状況を整理してみましょう

  • 一時的な疲れか、それとも慢性的なストレスか?
  • 職場や働き方を変えれば改善できそうか?
  • 眠れない・食欲がないなど、体調に変化は出ていないか?

周囲に信頼できる人がいるなら、相談するだけでも心が軽くなることがあります。
職場内で話しにくい場合は、産業カウンセラーや外部のメンタルサポートを活用するのもよいでしょう。


実際に辞めた人・続けた人の体験談

Aさん:辞めて福祉用具専門相談員に転職

病院勤務時代は1日18単位、休憩時間もままならず、常にストレスにさらされていたAさん。
体調を崩し、悩んだ末に退職。その後、福祉用具専門相談員として介護施設や在宅利用者を訪問する仕事に転職。

現在は、訪問スケジュールを自分で組めるため、時間的な余裕が増え、ストレスも軽減。利用者との関係も良好で、「もっと早く転職すればよかった」と話しています。

Bさん:訪問リハビリに転職して続ける道を選んだ

病院勤務で業務量に悩んでいたBさんは、職場を変えて訪問リハビリへ。病院と比べて1日のスケジュールが柔軟に組めるため、時間的・心理的な余裕が生まれました。

「自分のペースで仕事ができる分、患者さん一人ひとりと丁寧に向き合えるようになった」とのことで、今では作業療法士の仕事に再びやりがいを感じているそうです。


きつさを軽減する具体的な対処法

  • 自分の悩みを「見える化」する:日々の出来事や感情を記録し、ストレスの原因を明確にする。
  • 信頼できる人に相談する:気持ちを言葉にすることで、自分の意志が明確になる。
  • 働き方を見直す:部署異動や時短勤務の検討など、無理のない方法を探る。
  • 転職も選択肢に入れる:訪問リハや福祉用具分野など、他の選択肢もある。

まとめ:「きつい」と感じたら、自分を大切に

作業療法士という仕事は、やりがいが大きい反面、心身への負担も少なくありません。
「きつい」と感じることは決して弱さではなく、それだけ真剣に仕事に向き合っている証拠です。

あなたがこれからも健康で充実した人生を送るために、今の環境や働き方を見直すことはとても大切です。
無理を続けて限界を迎える前に、自分自身を守る行動を選びましょう。
必要であれば、休職や転職といった選択も「逃げ」ではなく「戦略的な決断」です。

自分の人生をより良いものにするために、まずは一歩、自分のための行動を始めてみてください。

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